『第104回全国高校野球選手権福岡大会に向けて』
監督 土井崇正(高41期)
拝啓
愛宕クラブの皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
また日頃より野球部の活動に関しまして、物心両面にわたり多大なるご支援をいただき誠にありがとうございます。
さて、いよいよ7月3日より第104回全国高校野球選手権福岡大会が開幕いたします。
本校の初戦は7月6日筑豊緑地球場にて星琳高校と決定いたしました。
今年のチームも「挨拶・返事・全力疾走・全力カバー」を追求してまいりました。
全力疾走やカバーリングなど、誰でもできることを誰もがやれないぐらい続けることを常に心がけています。
このチームは立ち上げ直後の北九州市内新人戦が新型コロナウイルス感染症蔓延のため、大会打ち切りとなる暗いスタートでした。
その後も予定していた練習試合が次々と中止となり、実戦不足のまま秋季大会突入となり福岡大会5回戦敗退という結果でした。
昨年の春季大会から2大会連続福岡ベスト16に終わり、チーム全体で何度もミーティングを重ね、目標を確認しました。
甲子園は行きたい場所や夢の場所ではなく、小倉高校にとって行かなければならない場所、戻らなくてはならない場所なんだと。
その手段として全国の強豪校との試合、冬季の強化トレーニングを敢行いたしました。
2021年全国優勝・智辯和歌山
2019年全国優勝・履正社
2019年センバツ王者・東邦
2014年センバツ王者・龍谷大平安
その他にも各地の名門・強豪である大崎、佐賀商、宇部商、早鞆、如水館、また県内の強豪である西日本短大付、福岡大大濠、福岡工大城東、沖学園、自由ケ丘などから様々なことを学びました。
単に試合運びや技術だけではなく、「野球選手としての強さ」を学んだのです。
それは「覚悟」と置き換えてもいい、凛としたものでした。
私は野球に「昭和」も「平成」も「令和」もないと思っています。根性や気持ちと言うと、古いと失笑されるかも知れませんが、勝負における普遍的なものだと思っています。
合理的なものだけでは土壇場で耐える力、逆境を乗り切る力は身につきません。
これらを土台にして、最先端の科学的な要素をどれだけ上積みできるのか。それで勝負が決まると思っています。
この冬、選手達は10万スイングしてきました。気の遠くなるようなランメニューもこなしてきました。力も技術も心も確実に強くなった。
後は、それを一発で発揮できるかどうかです。
正に
鍛錬は千日の行
勝負は一瞬の行
小倉は相手が作る流れを感じながら、それをチームで止めます。
二度三度ある流れに気づき、止めることができたら小倉は負けない!
苦しい展開で下を向き、誰かに頼り、神頼みになるのではなく、チーム全員でそれに立ち向かい、強さと経験と根性で止めてみせる。
そしてチャンスに全員で一気に攻め込む!
どんな劣勢になっても、どんなに苦しくても、手を離さず、心を繋ぎ、最後まで戦います。
いよいよ7月6日出陣いたします。3年生11名がそれぞれの役割を理解してくれています。試合に出場する者、支える者、様々です。
試合に出場する者へ
さあ、躍動しよう!苦しくなったら胸のKを掴め。お前達と最後まで戦うぞ。
支える者へ
まだ十代の若者が、自分の夢や思いに折り合いをつけ、決して腐ることなく、投げだすこともなく、必死に支えてくれている。
支えるとは、共に戦うこと!お前達は俺の誇りだ。
OBの皆様、学校関係者の皆様、小倉ファンの皆様、ご家族・ご友人の皆様、我々はいかなる展開でも試合終了まで全身全霊で戦い抜きます。
部員34名は、今から刀を研ぎ、心を正し、戦いの準備に入っています。
どうぞ、全国から力をお貸しください。