この度、監督に就任いたしました高校41期の土井崇正でございます。伝統ある名門と呼ばれる母校の監督就任は、身に余る光栄でございますし、身が引き締まる思いで毎日を生きております。
初采配でありました春季福岡大会は5回戦敗退に終わっております。全国から応援していただいているOBの皆様にとっては、全く物足りない戦績であるのは重々承知しております。ただ、昭和53年を最後に甲子園から遠ざかっている我々が目指すべきところは、まず福岡ベスト8の常連に戻ることだと考えております。その先に甲子園という場所が見えてくると信じております。これらを目標としてとらえ、日々活動しております。
そして忘れてはならないのが、小倉高校で野球をする目的です。これは、高校野球を通じて人間力を高め、社会に通用する強い人間に成長するということを最重要視しております。ゲームにおいて、打ち負けた、投げ負けたという試合はそんなにないと思います。逆にその展開で負けたのなら仕方がありません。
なぜこのようなミスをしたのか?
なぜカバーに行ってなかったのか?
なぜバントミスをしてしまったのか?
小さなことが勝負を決してきます。大きな試合だから、大きな力が働くかと言ったら、絶対に違います。普段からの小さな目配り、気配り、心配りが大きな力になると信じています。だから、ゴミを拾う、靴や道具を綺麗に並べる、シャツのボタンをとめる、そういうことが実に大切です。野球が他の球技と決定的に違うことは、人間自身が得点することにあります。
規律と約束の守れない選手がいると、チームが機能しません。小さなことを疎かにする選手、約束事を守れない選手はここ一番でミスをします。このようなことがないよう、普段の生活からしっかりやる、ということがチームの決まりです。そしてチーム全員が、挨拶・返事・全力疾走・全力カバーを徹底しております。
仲間のためにボールのない場所で、これだけ一生懸命に走ってくれている人間がいる!勝った、ホームランを打った、三振をとった、など日の当たる部分だけではない素晴らしさを残したい!野球をやって技術以外、何も得られないでは意味がありません。社会に出てどれだけ気づき、感性を磨き、世の中のためにカバー、バックアップができるのか、というところを突き詰めていきます。
また保護者の皆様にはいつもご支援頂いており、心より感謝申し上げます。そのうえで生意気ながらお願いをしております。子供の成長は体・技術だけではありません。内面的な「魂」の部分が一番重要なはずです。
息子が打ったバットを拾ってくれる者へ
息子が打った球を拾ってくれる者へ
息子の道具を運んでくれる者へ
息子のためにグラウンドを整備してくれる者へ
息子のためにいつも裏方で支えてくれるマネージャーへ
いつも励ましてくれる人へ
いつも支えてくれる人へ
礼節をわきまえ、感謝することも忘れてはなりませんし、我が子だけしか見えない親になってはなりません。それこそ魂が育たない!
野球選手として一生を送れる者はいません。では、一人間に戻った時にどうあるべきか?
野球道、魂のある者は強く生きていけると信じています。
野球道、魂のない元スーパースターは、そこから地獄の道を歩むでしょう。
よって指導者・保護者は日々緊張感をもって慎重に子供たちと接さねばなりません。そして主役の選手たちにも毎日問いかけています。練習や試合や勉強の場面で、肉体の辛さに心が折れるのか?心の強さで肉体を支配できるのか?
間もなく勝負の7月です。学校関係者の皆様、OBの皆様、保護者の皆様、ぜひ36名それぞれの戦いを見守ってあげて下さい。よろしくお願い申し上げます。
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